システィーナ礼拝堂の制作技法
ミケランジェロは礼拝堂の天井に手が届くように、天井画制作用の足場を自ら設計したといいます。
床面から足場を組み立てたとしたら巨大な構造物になってしまうので、ミケランジェロは側壁の窓の上あたりに穴を開け、そこから支えの腕木を出し、そこに木造の平台を載せて足場としました。
天井画の制作は3場面ずつ3段階に分けて行われたので、足場が天井全体を覆ってしまうことはなかったそうです。

天井画は全て、フレスコ画で描かれています。
フレスコ画は、生乾きの漆喰の上に描く壁画制作技法のこと。
ミケランジェロは、ギルランダイオというフィレンツェで最も有能で多作なフレスコ画家の工房で修業し、この技法の経験を積みました。
当初は、イントーナコ(上塗り漆喰)の湿り気が多すぎるためにカビが発生し、ミケランジェロはカビを除去してから制作にとりかからねばならなかったそうです。
その後彼は、助手の一人であるヤコポ・トルニ(リンダーコ)の考案した、新しい漆喰調合法を試みます。
この調合法はカビを寄せ付けず、その後のイタリア建築の伝統に組み入れられるものとなりました。