「オリーヴ」と「星月夜」 3
『種まく人』と『刈り取る忍』との共存によって、生と死との限りない持続を見たゴッホは、そういう本質的ヴィジョンを、この夜空のうちに読み込んだのです。
この作品は、想像によって描かれたものでしょうが、ある研究家は、『黙示録』の次に一節がゴッホに霊感を与えたのだろいうと言っています。
「また天に大いなるしるし見えたり。
日を着たる女ありて其の足の下に月あり、其の頭に十二の星の冠あり。
かれは身篭りをりしが、子を産まんとして産の苦しみと悩みのために叫べり。
また天にほかのしるし見えたり。
視よ、大いなる赤き龍あり、これ七つの頭と十の角ありて頭には七つの冠あり。
その尾は天の星の三分の一を引きてこれを地に落せり。
龍は子を産まんとする女の前に立ち、産むを待ちて其の子を食ひ尽さんと構えたり。」
・・・別の研究家は、霊感のみなもとは、『黙示録』よりもむしろ『創世記』の中の次の一節だという言います。
「ヨセフまた一の夢を見て、これを兄弟に述べて言ひけるは、我また夢を見たるに、日と月と十一の星われを拝せりと。
すなわちこれをその父と兄弟に述べければ、父かれを戒めて彼に言ふ。
汝が見しこの夢は何ぞや、我と汝の母と汝の兄弟とまことに行きて地にかがみて汝を拝するにいたらんやと。
かかりしかばその兄弟かれを嫉めり、されどその父はその言葉をおぼへたり。」