抗原になる物質 2

抗原になる物質その2です。


抗原となるたんぱく質は動物、植物性のいずれでもいいのです。


食物のたんぱく質でも、細菌のたんばく質でもよいわけです。


慢性の虫垂炎、蓄膿症や膿痂疹(うみおでき)などで、少々変質した自分の体のたんぽく質もりっぱに抗原となります。


同様に脂質、糖質や、ミネラルも、外来性、内来性のいずれでも抗原となるわけです。


そのほかにペニシリンやサルファ剤、ピリン系薬剤のように、抗生物質とか合成薬剤でも、血液やリンパ液中のたんばく質とよく結合するものは抗原になります。

抗原になる物質

人間の体を組み立てている成分と違う物質はすべて抗原になります。


人間の体の成分は、たんぱく質、脂質、糖質、ミネラルなどです。


これらと少し、あるいは大きくかわったたんぱく質、脂質、糖質やミネラルはすべて抗原になります。


このうち、もっとも抗原になりやすいのはたんぱく質で、この場合、たんぱく質は抗原性が高いというふうに表現します。


脂質、糖質、ミネラルなどの抗原性は、たんぱく質よりもはるかに低いものですが、これがたんぱく質と結合すると、抗原性が高くなる性質があります。


また、物質は溶けた状態で人体内に侵入したときに抗体をつくらせる能力が著しくなり、反対に溶けにくい物質は抗体をつくりにくいものです。


このように水か油に溶けるもの、あるいは両方に溶けたり、乳化(乳のように細かい粒子になって油が水に平等に分散する状態、またはその逆の状態)しやすいものは、抗体をつくる細胞まで能率よく運ばれ、とり入れられるから、抗体をたくさん生産させるのです。

皮膚の働き 2

それらすべてを突破して、皮膚内に侵入した物質には免疫抗体を生産して、つぎに侵入してきても、生体に都合の悪い反応を予防してくれます。


一方では異物(抗原)を含む皮膚の細胞は、どんどん外側におし出されて、抗原をだいたまま、はがれ落ちていきます。


・・・このように、自然は私たちの体を、あらゆる手段を用いて異物、有害物質、抗原から守るようにつくりあげています。


その防護者が皮膚であり、呼吸路、消化路、尿路の粘膜(一種の皮膚)です。


無数につぎからつぎと侵入しようとしてあらわれてくる異物、毒物などの抗原になる物質・・・


しかもその大部分は、それ自体に多少とも細胞毒という性質をもっている物質、これらに負けず、過敏抗体をっくらないように日夜働いているのが皮膚です。

皮膚の働き

人はだれでもアレルギー体質であるといっても過言ではありません。


たまたま、ある物質にアレルギー症だと医師に診断されて、すべての薬剤、物質に対してもアレルギーであると悲観したり、ノイローゼになることはないわけです。


さて、人体のもっとも外側にあって、筋肉、神経、内臓などをおおって防護しているのが皮膚です。


皮膚は決して単にものを包むものではありません。


それ自身、呼吸し、排泄し、新陳代謝し、他の臓器と密接に影響を及ぼしあっている、1つの大きい臓器です。


もろもろの外界の刺激に負けない強さをもつとともに、弾力性と柔軟性をもっています。


アレルギーの立場からいうと、無数の抗原になりうる物質と接触しながら、それらを皮膚内に侵入させないことを第一に、もし侵入したらすばやく運搬して排除するのを第二に、さらにすっかり包みこんでしまう働きを第三に行なっています。

3つの生体反応

以前ははって数分たってから皮膚が赤くなり、はがすと20~30分でその赤みが消えたのに、感作された人では、数時間後から赤くなったり、はがしても48時間から9六時間も赤みがのこったりします。


これを生体反応の時間の変化といいます。


このように、人のアレルギー反応は、量、質、時間の3点で変化するのが特色です。


もちろん、アレルギーにより生体反応が3点で変化したために、かえって人がその生活環境によりよく順応できるようになったり、外敵に対する抵抗力がより大きくなることもあります。


このように友に都合のよいアレルギーもあるわけで、これを免疫になったといいます。


この抗体を免疫抗体とよびます。


予防接種は免疫抗体をつくらせたり、他の動物でつくった免疫抗体を人にあたえるために行なうもので、私たちを恐ろしい伝染病から1定期間免疫にしてくれることはご存じのとおりです。


それに対して、人に都合の悪い過敏状態をまねく抗体を過敏抗体とよんで、免疫抗体と区別します。


免疫抗体があるために、私たちはさまざまの細菌、かび、食物、花粉や塵埃などの抗原性物質に過敏症にならずに生活してきたし、これからも生活を続けられるといえます。


湿疹・かぶれ・じんましん

今日は皮膚にあらわれるアレルギーについて。


個人の、ある特定の物質に対して反応する能力が、後天的に変化した状態を、「感作された」または「アレルギーになった」といいます。


その特定の物質を抗原といい、それにだけ対抗するために体内に生じたものを抗体といいます。


そして、特定抗体を産隻,るようになった佃人は、その抗体が充芝生体のどこかの墜に残っているかぎり、ふたたびそこへ抗原が到達すると、抗体産生以前とは異なった生体反応をせざるをえないのです。


たとえば、皮膚の血管を拡げ、肩や腰のこりをとる絆創を考えてみましょう。


それをはればだれでも皮膚が赤くなり(皮膚毛細血管が拡がるため)、さわやかな感じになります。


しかし、一度それにアレルギーになった人がはると、皮膚毛細管は非常に強く拡がり、ついにば血漿が血簾からもれ浮腫(むくみ)まで発生します。


これは血管拡張という生体反応の量が変化したのです。


また、感作される以前には決してあらわれなかった赤いぶつぶつ(丘疹)や水癒もみえます。


これは生体反応の質が変化したものです。

アレルギー性の鼻炎

鼻にアレルギー性の鼻炎がある以上、副鼻腔にもアレルギーが関係していても不合理ではないでしょう。


副鼻腔炎のなかには、アレルギー性のものと、アレルギーと細菌感染とが合併したものとがあるといわれています。


しかし実際に臨床上は、この2つを区別し、診断することは容易ではありません。


最近は手術でなく、保存的に治療をする傾向がでてきています。


この意味でアメリカなどでは、もっぱらアレルギー療法が行なわれているようです。


しかし、どんなしくみでアレルギーが関係しているのかはっきりわかっておらず、したがってどんなぐあいにアレルギ:療法をすればよいのかというと、まだはっきりしておりません。


しかしアレルギー療法を加えると軽快する症例のあることも事実です。


局所にステロイドホルモンを噴霧する治療法も広く行なわれており、よく効きます。


重症でもなく、また手術を好まない人は、アレルギー関与という立場から行なわれている治療法を実施してみるのもよいでしょう。

慢性副鼻腔炎とは

ここに病気が起こり、とくにそれが慢性になりますと、粘膜は非常に厚く肥厚してしまい、孔を充満するほどになり、常に汚い鼻汁をつくって外に排泄するようになります。


このために、鼻汁がいつもたくさん流れ出し、鼻はつまって鼻呼吸が妨げられます。


頭が痛み、あるいは重く、頭になにかかぶったようになり、もののにおいもわからなくなることもあります。


こんなことから、肉体的、精神的労働に対して能率が落ち、学生は学業が低下します。


すなわち記憶力が減ったり、注意力が散漫になったり、ものにあきやすくなり、疲れやすくなります。


ですから直接生命に関係はないとしても、日常生活に常に障害をあたえていることになります。


古くなり慢性になったものは手術をするより方法はありませんが、手術をしても完全に治るものばかりとはかぎりません。


どうしてこうなるのかというと、遺伝、体質、栄養、生活環境、鼻の構造など、いろいろのことが考えられますが、その1つにアレルギーとの関係があります。

アレルゲンをさがすことが予防

鼻アレルギーの予防といえば、できるかぎりその原因物質、すなわちアレルゲンをさがすことです。


アレルゲンは無限と考えられますが、丹念に調べると結構わかるものです。


アレルゲンを発見できれば、これを除き、あるいはこれから遠ざかることです。


アレルゲンの発見が不可能でしたら、鼻アレルギー発症の誘因に向かって、これを防御することです。


すなわち、できるだけ寒冷にさらさないよう、とくに鼻に冷たい空気を吸引しないように努め、汚れた空気を吸わないよう努めることで、最近このため特殊なマスクが作られました。


積極的には戸外運動などで体を鍛え、栄養を高め、一方では過労を防ぎ、かつ自律神経の乱れをととのえ、ストレスをさけます。


このようにアレルギー体質の改善をはかるように努めることです。


次に、鼻アレルギーと慢性副鼻腔炎について。


慢性副鼻腔炎とは、いわゆる蓄膿症ですが、この病気はむかしから治りにくいものとなっています。


目をとりまいて鼻の両側の骨のなかに、4種類の副鼻洞という空気のはいっている孔があり、ふだんは薄い紙のような粘膜で覆われています。

鼻アレルギーの症状 2

鼻たけがあればもちろん摘出します。


この方法で案外、鼻のアレルギー発作をおさえたり、起こっても軽く経過させたりする効果のあることをよく経験します。


しかし手術療法は、やはりどこまでも暫定的なもので、やがて再発することも多く、再手術ということも起こります。


私の経験では、2回以上手術のやむなきにいたった場合は少なく、案外よい結果を示す場合が多いようです。


また、特殊な手術として、アレルゲンが見当たらない、つまり血管運動性(神経性)鼻炎の患者で症状のひどいときには、鼻に分布している自律神経を切断する方法もあります。


しかし技術的な問題もあって、あまり一般的に行なわれてはいません。


・・・以上、最近では、特異的減感作療法が広く行なわれ、かなりよい成績をおさめています。


しかし、だれにでも向く決定的な治療法ではなく、結局、その人その人により、生活条件なども考慮に入れ、適当な治療法を適宜併用していくべきでしょう。

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